『真理・言語・歴史』2 「意味」と「意図」

ドナルド・デイヴィドソンの『真理・言語・歴史』を読んで(まだ読書中)、第二弾です。 本日は主に異論を。 デイヴィドソンの意味論(言語がいかに意味を有するか)は、真理条件意味論と呼ばれる。 簡単に言えば、「文の意味とは、その真理条件である(文の…

デイヴィドソン『真理・言語・歴史』1

ドナルド・デイヴィドソンの『真理・言語・歴史』を読書中です。 なんとも難解ですが、やはりデイヴィドソンは面白い。 言語問題の中枢に真正面から切り込んでいる、と言いますか… 読み進めていくうちに、賛同する部分と賛同できない部分が出てきたので、メ…

「事実との対応」観念に対する内在的批判

えー、先日のエントリーは、「『事実との対応』こそが、言明が真であるかの決定因子なのだ、エッヘン!」という言明の真理値(真か偽か)に訴える、というややアクロバティックな(?)「事実との対応」観念批判でした。 もちろん、言明の真理性を「事実との対応…

「事実との対応」という観念について

先日のエントリーでは、私たちが自然科学などのうまく機能する概念装置を前にして、「なぜこの概念装置はうまく機能するのか?」と問う時(「なぜ?」を問う存在である人間にとって、これはほぼ必然的な問いである)、因果的な枠組みでこの問いに答えようと…

事実との対応について

いま、ドナルド・デイヴィドソンの『真理と述定』を読んでいます。 自分が一体どれほどを理解してるか、全く持って自信はありませんが(2割も理解できているかどうか・・・)、とにかく読んでいます。 しかしそれでも、「事実との対応」という真理概念がアメリカ…

批判的営みとしての科学

久しぶりに科学哲学チックな話をしてみたいと思う(というか、ブログの更新自体が久しぶりなのだが…)。 その前に、科学とはなんぞや、を簡単に。 こちらのエントリーでも述べたように、最低限「シンボル操作によって自然現象を記述する試み」ということは言…

鳩山発言

実に久々の更新となってしまった… ま、ネタ切れというのが正直なところですが。 不定期にボチボチ更新していこう。 さて、陸山会事件*1(というのかな?)に関する鳩山首相の発言が、「検察への圧力(公正な捜査を妨害する)」であり行政府の長の発言として…

抜き打ちテストのパラドクス

いや、特別な意味はないのですが… しきりと「解散の時期は私が決める」と言いながら、はや9ヶ月? もはや情勢としては、総裁選前倒しの気配が濃厚に漂っておりますが… 自民党の党内政局の力学ではもはや解散を打てそうにもない小心者(チ○ン野郎)麻生太郎氏…

本の紹介 政権交代へ向けて

随分久々の更新になってしまった… FC2のブログに書いたエントリーをこちらのみアップしよう。 えー、政治の季節ということで、政局話が大いに盛り上がっているようですが… あ、僕は政局はあまり好きではないです(たまにはその手の話もとりあげますが)。 政…

観察の理論負荷性について

えー、ここのところ科学哲学チックな話題が続いていました(まぁ、僕の好きな話題ですので)。 で、とあるブログをチラ見して、科学哲学に関して「オイオイオイ、そんなことなのかよ!?」と思わずツッコミたくなるエントリーに遭遇したので少し述べてみたい…

還元主義と全体論 ミラーニューロンから考えてみる

久々の更新になってしまった… どうも今一つ更新する気になれなかったわけですが(FC2の方はボチボチ更新していたわけですが) ぶっちゃけて言えば、ネタ切れ、ですね(ぶっちゃけ過ぎか?)。 ブログ徘徊中に見つけた次のエントリーについて少し言及してみま…

素人のための科学哲学・言語哲学に関する参考図書

僕自身、ド素人ですので、あくまでも素人向けの図書案内ということですが。 もし、科学哲学的なところを、多少なりともマジに考えようとするのであれば、やはり論理実証主義的な「(自然と対応する)真理としての科学」的な科学観から、クワイン流のプラグマ…

「近似」と「対応(としての真)」の親和性(ないし連続的移行可能性)について

「テクストの文脈依存性」と「文脈のテクスト依存性」についてにコメントを頂いた。 コメントは引用しませんので、各自でご確認ください。 当初のエントリー(科学について(あるいは真理について)、「近似」と「モデル化」について)と内容的には重複する…

整合性と対応について(あるいは真理について)

トラックバックを頂いた。 「ニセ科学批判」批判のための覚書2、あるいはボクが「杜撰」と言ったわけ 古臭い論の展開をしていると。 まぁ、それを否定はしません。 僕は所詮は素人の戯言を述べているに過ぎませんし、である以上は最先端的な話など端っから…

専門知に対する民主主義の優先

哲学チックな話が続いておりますが…(ブックマークが何気に嬉しい) えー、タイトルはリチャード・ローティの「哲学に対する民主主義の優先」(『連帯と自由の哲学』収録)をもじっています(タイトルでピンときた方はローティマニアでしょう)。 この論文で…

「テクストの文脈依存性」と「文脈のテクスト依存性」について 多少の追記あり

僕の投じた一石が、思わぬ(?)波紋を広げてしまったのかも知れませんが… すでに収束気味? だとしたら、新たな波紋を広げることになるのかも知れませんが… 前置きはこれくらいにして。 「テクストの意味はそれが置かれた文脈に依存する」という表現には、…

「実在性」と「真の値」について 追記しました(4/29)

なんか、πの「実在性」について僕が述べている、と思いこんで(?)トラックバックを送ってくださる方がいるのですが… まぁ、トラックバックを頂けるのは嬉しいので邪険にするのもなんですが。 一応、確認のために述べておきますと、本シリーズ(科学につい…

πの「真の値」について

エントリーとして書くか、コメント欄に書くか、ちょっと迷ったのですが… せっかくトラックバックを貰ったのだから、エントリーとして上げてみよう。 トラックバックはπの実在性についてです。まぁ、この手の話題に手を出した以上は、こういうツッコミは受け…

「近似」と「モデル化」について

自分の中でも今一つ(?)消化しきれてない気がするので、人様にどれだけ説得的に説明できるか、今一つ自信はないのですが。 せっかくトラックバックを貰ったので、頑張って書いてみよう。 トラックバックのURLを忘れてました(スミマセン)、コチラになります…

科学について(あるいは真理について)

えー、FC2のブログでは疑似科学に関することを取り上げて論じたこともあるわけですが(疑似科学批判ではなく)、当ブログでは疑似科学を取り上げる予定は当面ありません(未来永劫ない、とも言いませんが)。 最近、疑似科学批判(あるいは疑似科学批判批判…

陰謀論について

先日取り上げた、『日米同盟の正体 迷走する安全保障』から陰謀論(陰謀説)に関するメモ。 外交に直に関わった人の言葉だから、その辺のブロガーの知った風よりはよっぽど説得力があると思われ。 陰謀論の行使には大別二つある。一つは偽旗工作(false flag…

国家戦略と情報公開

あのー、池田氏VS小倉氏、なかなか盛り上がっているようですね(ワクワク)。 その分、モトケン氏VS小倉氏、はちょっと盛り下がってきたのでしょうか?(チト残念な…) ま、いずれも野次馬的関心からですが。 それはさておき。 天木直人氏がこちらのエントリ…

裁判員になる前に読む二冊

なんか、Hatenaでよくあるタイトルで、僕的にはあまり好きではないのですが…ちなみに言っておくと、僕は裁判員制度について、それほど調べたわけではありません(裁判制度というか法全般についてド素人です)。 それでも、来たる裁判員制度(および現行裁判制…

動画の紹介

アンテナにもある文藝評論家・山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』で月刊日本・週刊金曜日 共同講演会の動画を見つけたので貼り付けておこう。 講演者は佐藤優氏、山崎行太郎氏、佐高信氏の三氏かな。

郵政民営化のゆくえ

新自由主義政策を急進的に進めた(結果、日本を、貧困層を膨大に生み出し続ける社会に陥れた)小泉・竹中以降の自公政権ですが… 小泉氏の総理辞任以降、ついにここまで選挙を経ることのない正統性なき政権が続いてきたことになる(本当に日本って民主国家か…

戦争へのカウントダウンか?

多少(すっかり?)クールダウンした感のある「飛翔体」騒ぎですが… あの狂騒がほんの数日でクールダウンするということは、仕組まれたものだったとの思いを強くするばかりです(日本人の冷め易さを表しているのかもしれないが、騒いでいたのは国民というよ…

池田氏のブログ (2) 追記と若干の修正あり

えーっと、当ブログは池田氏ヲチではない(つもり)ですが、チョイと突っ込みたいエントリーを見かけたので。 本日は氏の忘れるという合意についてだ。 氏のエントリーを読むと、新自由主義という経済的(?)立場と、新保守主義という政治的(?)立場の親…

Lotusflow3r first impression

いいんじゃないですかね。 Princeのニューアルバム『Lotusflow3r』。 まだ、数回聞いたところですが。 3枚組みCD(内1枚はBria Valenteという新人さん)で、ちょっと特殊な販売網で売り出すようです。 1枚目の「Lotusflow3r」はギターを大々的にフィーチャー…

ポジショントークと属人論法 小倉氏VSモトケン氏より

取り敢えず、欲張ってFC2とHatenaを並行運営しております(ま、どちらも過疎ですが)。 ただ、当面は独立した形で運営を行っていこうと思います。 時期を見て相互リンクするつもりですが、いきなりリンクを貼るのも能がない感じがして…(というか、並立運営…

池田氏のブログ 池田氏の哲学的水準

最近チェックを怠っていたのでが、池田信夫氏のブログの思考する言語を読んでチト考えたことを述べてみる。 認識論的には、ようやく(半世紀以上おくれて)ヴィトゲンシュタインに追いついた程度だが、アメリカ人の哲学的水準なんてこんなものだろう。 まあ…