本の紹介 政権交代へ向けて

随分久々の更新になってしまった…
FC2のブログに書いたエントリーをこちらのみアップしよう。


えー、政治の季節ということで、政局話が大いに盛り上がっているようですが…
あ、僕は政局はあまり好きではないです(たまにはその手の話もとりあげますが)。


政権交代を間近に控えて(もう一波乱、二波乱あるかもしれませんが)、いざ政権交代したらどのような社会を私たちは作り上げていくのか(あるいはどう構想すればよいのか)。
そこを一冊の本を手がかりに探って行きたい。


その前に一つの前提を置く。
仮に政権交代が実現したとして、まずその新政権は連立政権になるだろう(現在参議院過半数を有する政党はない)。
そして、新政権の中心が民主党になることはほぼ間違いないだろう。
したがって、新政権の政策の中心は、新政権の中心である民主党の政策に大いに影響を受けるだろう。
以上が前提である。


さて、本日の一冊であるが、ビデオニュースを主催するビデオジャーナリストの神保哲生氏が記した『民主党が約束する99の政策で日本がどう変わるか?』だ。
ただし、僕自身、現時点では前書きを読んだ程度である。
神保氏によれば、本書は、民主党マニフェストとは全く別物らしい。
以下、神保氏の言葉を借りて、本書の説明としたい。
やや長いが前書きより引用する(強調は引用者)。


本書の目的は単純明快だ。
日本で政権交代が実現し、民主党という新しい政治勢力が政権の座についたとき、この国やそこに住む私たちの生活がどう変わるかを、民主党の政策を通じてあらかじめ明らかにしておこうというものだ。
民主党は選挙のたびにマニフェストと呼ばれる選挙公約を公表している。だがそれは、選挙のために作成した、言ってみれば広報資料のようなものだ。それだけでは民主党政権下の日本がどうなるかは判然としない。
本書は、マニフェストや党が作成した政策資料に加え、これまで民主党が提出してきた議員立法の法案や主要議員の発言、国会答弁や国会質問、そして党幹部へのインタビューを通じて、より立体的に民主党の政策を明らかにしていこうというものだ。そこには、民主党が広報資料では触れていない、できればあまり見せたくないと考えているかもしれない部分も、当然含まれる。


以上のように、本書の目的はいたって単純なのだが、実はそこには二つの大きな目論見がある。


まず一つ目は、民主党が政権をとったときに日本がどうなるのかをある程度事前に知ることで、有権者の方々に、選挙で民主党を支持すべきかどうか判断する材料として使ってもらいたいという目論見だ。民主党政権下の日本が具体的にイメージできれば、民主党への支持・不支持を決める一助になるだろう。


(中略)


さて、本書にはもう一つ重要な目論見がある。この二つ目の目論みは、民主党がいざ政権をとったときに本領を発揮する。
それは本書が、民主党が総選挙に勝利し政権の座につくまでに、どのような政策を主張して国民の支持を取り付けたかのリマインダー(覚え書き)となることだ。


本書にかかれた政策は、これまで民主党が主張してきた政策に他ならない。もし政権の座についた場合、民主党にはそれを実行する責任があるし、有権者もその実現を迫る責任をおっている。
主張してきた政策や公約を明らかにしておくことで、政権獲得後の民主党にその実現を迫るためのツールとして、本書をぜひ使っていただきたいというのが、本書のもう一つの、そして、おそらくはより重要な目論見である。


その意味で本書は、一見、民主党の応援本のように見えるかもしれないが、実は民主党にとって厄介な存在になるだろう。何しろ本書には、民主党が選挙前には争点にしたくないため、マニフェストからはずされた政策もたんまりと含まれているし、いざ民主党が政権をとろうものなら本の中身が地獄のそこまでついて回るはずだからだ。
民主党がこれまで主張してきた政策をこうして記録に残しておけば、われわれ有権者民主党政権にその政策の実行を迫る際の強力な証拠になる。本書を、民主党がこれまで市民社会と交わしてきた数々の約束をまとめた『市民社会民主党の契約書』だと考えていただきたいと思う。

どうだろうか?
政権交代後の日本社会を構想したい人たちは、ぜひこの書を手に取って、民主党に政策の実現を迫っていただきたい。


え?民主党の回し者?
そう思う方は本書を手に取らんでよろしい(地獄まで自公に付き合えばよい)。
え?ビデオニュースの回し者?
まあ、神保哲生氏のファンであることは否定しない。


今後のエントリーで、本書で取り上げられている政策を少しずつアップして論じていきたい(営業妨害にならない程度に)。