ポジショントークと属人論法 小倉氏VSモトケン氏より

取り敢えず、欲張ってFC2とHatenaを並行運営しております(ま、どちらも過疎ですが)。
ただ、当面は独立した形で運営を行っていこうと思います。
時期を見て相互リンクするつもりですが、いきなりリンクを貼るのも能がない感じがして…(というか、並立運営が困難になったときがカッコ悪いので)


ということで(?)、本日のお題はエントリータイトル「ポジショントークと属人論法」でございます。
実はFC2のブログの方で、属人議論(論法)について論じたことがあります(批判的スタンスで)。
ま、そのブログエントリーもいずれはリンクするつもりですが。
以下では属人論法に用語を統一します。


ところで、僕は最近「小倉秀夫氏VSモトケン氏」のヲッチャーと化しつつあるわけですが、モトケン氏が小倉氏が以前持ち出した属人論法を逆手に取って(?)、小倉氏の批判をされています。
属人論法に関しては小倉氏が次のエントリーで述べられています(匿名さんは属人論法が大好き)。
このエントリーに対しては、僕としては異論があるのですが本エントリーではそこには踏み込みません(いずれFC2のエントリーをリンクするときに触れるかもしれません)。


で、どうもモトケン氏は、小倉氏が確実な事実であってもリークすべきではないというエントリーで、モトケン氏の正体を矢部善朗弁護士・創価大学法科大学院教授(刑事法)と明らかにしたことが気に食わないようで、以前に小倉氏が属人論法を批判的に取り上げたことを持ち出して、「属人論法をケシカランと言っているのに属人論法をやってるじゃないか!」と言いたいようです。
僕自身はこのモトケン氏の批判(?)は批判になっていないように思われるのですが…


取り敢えず小倉氏VSモトケン氏のやり取りの検討は後回しにして、まずは簡単に「ポジショントーク」と「属人論法」について述べておきたい。


ポジショントーク(by Wikipedia)より一部引用しますと

買い持ちや売り持ちのポジションを保有している著名な市場関係者が、自分のポジションに有利な方向に相場が動くように、市場心理を揺さぶる発言をマスメディア・媒体などを通して行う…ポジショントークは「虚偽」ではなく…

もともとは市場取引の用語のようですが、より敷衍して「自分の立場を有利にするために言説を用いること(あるいは少なくともそう考える合理的理由があること)」と考えられるでしょう。
で、「虚偽」ではない、を付け加えてもよいでしょう。ということで、暫定的な定義


ポジショントーク:自分の立場を有利にするために言説を用いる(少なくともそう考える合理的理由がある)こと。ただし一般にはその言説は虚偽ではない。*1


一方「属人論法」は文字通りに読むなら、「論の妥当性を、その論を発した人物(あるいはその属性)に帰属させること」、と大まかには定義できるだろう。例えば、「あいつはいい加減な奴で、そんな奴が言っていることだから間違っている」とか「これは東大教授が言っていることだから正しい」とかいった言い方ですね。一応、属人論法の前提として「論の妥当性は記述し得る」を置いてよいだろう(属人論法は論をスキップして妥当性を人に帰属させる)。
といいうことで、暫定的な定義


属人論法:論の正否・妥当性を、(論そのものではなく)その論を主張する人物の属性から結論付ける論法。一般的に論の妥当性は論理的に記述し得ると考えられる。


ということで、ポジショントークと属人議論の違いは一応示せたと思います。
より正確には、ポジショントーク(の可能性)を明らかにすることと属人論法の違い、ということですが。
では、具体的に小倉氏とモトケン氏とのやりとりを眺めてみます。
まず時系列を並べてみます(多少の勘違いや見落としがあるかもしれませんので、気付いた方はコメントください)。


モトケン氏:彼らが政権を取った暁には
小倉氏:捜査過程に関する情報を,虚実交えてマスメディアに「リーク」すること自体が「法に基づかない」行動
モトケン氏:リーク問題に関する小倉秀夫弁護士の見解について
小倉氏(1):確実な事実であってもリークすべきではない。
モトケン氏(2):小倉ヲチブログとしての小倉弁護士批判
小倉氏(3):野党第一党たる民主党が政権を取ったときには大変なことになるという非常に党派的なエントリーを掲げておきながら,現政権与党との密接な関係を指摘されることは気に食わないというのは虫が良すぎるのではないか
モトケン氏(4):相変わらず問題の本質から目をそらす小倉秀夫弁護士


モトケン氏(5):タイミングの問題について
小倉氏(6):タイミングの問題
モトケン氏:やっぱり素人さん向けにトラバしておこう
小倉氏:微罪,以前に。
モトケン氏:「微罪,以前に。」以前に
小倉氏:国民の期待に応えたルールを作るのは国会の役割であって,検察の役割ではない。
モトケン氏(7):いい加減に印象操作はやめましょうよ >小倉秀夫弁護士
小倉氏:人民裁判的実質的犯罪論
モトケン氏(8):自己満足的形式犯罪論
小倉氏:刑事弁護人の哀しい予測と現実の空しさ


小倉氏(9):バイアスのかかる立場にいることの指摘と属人論法の違い
モトケン氏(10):属人論法そのものですよ>小倉秀夫弁護士


小倉氏:25日までに!?
モトケン氏:大久保被告人の弁護人は無能だと言いたいのでしょうか?
小倉氏:中世の魔女裁判のような拷問を加えたりしなくとも被疑者は虚偽自白するし,そのことを完全に防止する術はどんな優秀な弁護人にもない
モトケン氏:一般論と陰謀論
小倉氏:創価大学法科大学院では「10数時間程度なら起訴後の取調べも無問題」と教えているのでしょうか。
モトケン氏:相手方の主張を自分の都合のよいようにしか考えない弁護士は依頼者の利益にならない。


小倉氏:教授たるに相応しい業績
モトケン氏:電話の内容を平気で暴露する弁護士
モトケン氏:法科大学院の教員資格について


モトケン氏(11):はまたまた属人論法ですね >小倉秀夫弁護士


小倉氏(12):論者の党派性に言及すること
モトケン氏(13):小倉弁護士の主張は属人論法です。


小倉氏(14):ダブルスタンダード
モトケン氏(15):小倉秀夫弁護士の属人論法ここに極まれり


小倉氏(16):むしろ、読者に斟酌される属性をコントロールしたいのでしょう。
モトケン氏(17):小倉秀夫弁護士に謝罪を求めます。


現在継続中(?)


えっと、取り敢えず弁護士VS元検のやり取り自体が興味深いので、小倉氏とモトケン氏のやり取りを抜き出しました。
この中で、本エントリーのテーマと関係しそうものについては、番号を振ってみました(抜かしたり、関係ないものに振っているかもしれませんので、ご指摘を頂ければと思います)。
お二人のやり取りを書き抜くだけでチト疲れたので、「ポジショントークと属人論法」についてはまた後ほど。
取り敢えずの感想。
モトケン氏は、「何とかの一つ覚え」を体現するかのごとく「属人論法」を繰り返されています。
まるで、「『属人論法』とレッテル貼りすれば相手を論破できる」と考えている中学生のようで、さらには元検事、現法科大学院教授という経歴も相まって哀愁すら漂ってきます。

*1:言うまでもないが、虚偽でないということは正しい(あるいは妥当である)ということを意味しない。