πの「真の値」について

エントリーとして書くか、コメント欄に書くか、ちょっと迷ったのですが…
せっかくトラックバックを貰ったのだから、エントリーとして上げてみよう。
トラックバックπの実在性についてです。

まぁ、この手の話題に手を出した以上は、こういうツッコミは受けるだろうな、ということは(ある程度)想定していたのですけどね(しかもHatenaならなおさら。そういうこともあり、Hatenaに手を出してみたのですけど)。
Hatenaにはプロ(やその予備軍)もいるようですけど、はっきり言ってこっちはド素人ということは言っておこう(一応「逃げ」ではない「つもり」)。
ド素人なので、数理哲学的なところにはできるだけ踏み込まない形で書いてみよう。


確かに、「π(3.14159…)は真の値を有するか?」という問いは、「√2(1.4142…)は真の値を有するのか?」とか、さらには「0.999…は1と等しいのか?」という問いと同様の困難さを有しているとは思います。
その意味では、

近似値とは、真の値を前提にはじめて意味を持つ


なんてことを無批判に受け入れてしまってはいけません。

という批判は誠に正当だと思いますし、「われながら安易に書きすぎたかなぁ」とは思います。


その上で、尚も見苦しい抵抗を続けてみます。
「πはある実数値にいくらでも近づけていける」ということは言えると思います(確か、現在は小数点以下億の桁まで出ているとか)。
随分昔にε-δ法というのを読んだことがありますが、そんな感覚で。
もちろん、それをもって、「πはある真の値を有する」ということが言えるかどうかは、ビミョーかもしれません。


πの「真の値」については次のように考えてもらった方がよいかもしれません。
例えば、「√2を二乗すれば2になる」という操作的な定義は、「2は真の値を有する」とか「二乗する」が有意味ならば、それと同様の意味で「√2は真の値を有する」は有意味となるでしょう(「√2を二乗すれば2になる」は、「2を二乗すれば4になる」が有意味であるのと同程度の有意味性は有していると思われます)。
同様に、「半径1の円の円周は2πである」という操作的な定義は、「1は真の値を有する」とか「円には半径がある」とか「円には円周がある」とかが有意味であるなら、それと同程度の意味合いでは「πはある真の値を有する」も有意味であると思われます。


前エントリーで、πの「真の値」というとき、上記程度のことを想定していただければ、と思います。

考察が甘いです。哲学的な議論ではないなら、そんな、現場での活動に影響しないことが経験的にわかっていることにこだわるのは、不健全です。

まぁ、(学術論文ではなく)ブログの日記に書いていることですから…
「ブログに書くことは健全でなければならない」というルールは、(少なくともHatenaには)ないと思いますけど…(不健全=有害、でないとすれば)
「素人の知った風を鵜呑みにする人が出てくる」かもしれんからケシカランということなのかもしれませんが…(でも現場の活動にも影響しないわけですし)
そういう意味では、すぐにツッコミの入るHatenaのシステムは有効なのかもしれません。
僕的には、素人が知った風を述べにくくなる、というデメリット(?)もあるように思われますけど。

「つまらん! おまえのいうことはつまらん!」

まぁ、われながら「つまらん」こと書いてるなぁ、という自覚はありますので。